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弊社顧問による産業廃棄物に関するプチ情報をお届けします。皆様の職場でお役立てください。

筆者プロフィール:立薗 邦人 たてぞの くにと
平成29年3月まで東京都環境局で産業廃棄物に関する指導、相談業務に従事。現在、大谷清運(株)コンプライアンス担当顧問として、長年培った経験と知識を活かしている。一般財団法人 日本環境衛生センター講師としても活躍中。

「処理困難通知」について

 産業廃棄物の処理を委託された処理業者が、何らかの事由で処理できなくなった場合には、速やかに その旨を排出事業者に、書面で通知しなければならないとされています。
 これは「処理困難通知」とよばれ、不適正処理を未然に防止する目的で、2011年の法律(廃棄物処理法)改正の際に新たに規定された制度であり、この規定に反して通知を怠ったり虚偽の通知を行ったり した処理業者は、厳しい罰則の対象となります。
 このように、「処理困難通知」の制度は、一見すると、処理業者に対する規定と思われるかもしれませんが、実は通知を受けた排出事業者には、次のような義務が課せられています。
  1. 排出事業者は、委託している廃棄物の処理状況を、自ら確認することが求められます。
    返送されたマニフェストにより確認するほか、処理業者から事情を聴取し、場合によっては実際に 現場に行って、状況を的確に把握する必要があります。
  2. 廃棄物の処理が終わっていない場合には、廃棄物の長期間放置等の不適正処理につながらないよう、必要に応じて別の業者に委託し直すなどの措置をとることが必要となります。
  3. さらに、排出事業者は「処理困難通知」を受けてから30日以内に、処理の状況や措置の内容等について、「措置内容等報告書」として都道府県知事等に提出しなければなりません。

 このように、「処理困難通知」をめぐる一連の手続きは、『たとえ処理を業者に委託したとしても、処理が適正に終わるまで、排出事業者が責任もって確認しなければならない』という排出事業者責任に 基づいた規定と言えます。

製鉄所における廃プラスチックのリサイクル

 「プラスチック資源循環促進法」の施行に伴いプラスチックのリサイクルが改めて注目されていますが、製鉄所において鉄を作る際に、廃プラスチックが大量に利用(ケミカルリサイクル)されていることをご存じですか。
 日本鉄鋼連盟等の資料によれば、年間30万トン以上の廃プラスチックが製鉄の現場で再利用されており、これはわが国のプラスチックリサイクル量の約3%にあたります。
 鉄を作るには、鉄鉱石とコークスなどを溶鉱炉に入れ鉄鉱石を融かして鉄を生産します。
 この時、コークスは燃料として炉内を高温にするとともに、含まれる炭素(C)が鉄鉱石の主成分である酸化鉄から酸素を奪う還元剤として働きます。
 一方、プラスチックは主に石油から作られているので、炭素(C)と水素(H)が主成分です。
 製鉄所では、廃プラスチックを蒸し焼きにしてコークスの原料として利用するほか、溶鉱炉に廃プラスチックの微粉を直接吹き込み、成分の炭素(C)と水素(H)を還元剤として利用しています。
 これらのリサイクル手法は、わが国の鉄鋼業の高い技術力を背景に開発され、現在では、製鉄の現場において着実に実用化されています。   
 鉄鋼業のスケールを考えれば、リサイクルの能力にはまだ余力があると言われており、今後ますますプラスチックのリサイクル需要が高まることが予想されることから、さらなる受入の拡大が期待されます。

産業廃棄物の排出量

 今年4月から、新たな法律「プラスチック資源循環促進法」が施行されました。
 この法律では、プラスチック廃棄物の排出抑制やリサイクル促進のために様々な仕組みが盛り込まれていますが、このなかで、私たちの日常生活に関係するものに、「使い捨てプラスチック製品」の使用制限があります。
 店頭などで無料提供されてきた使い捨てプラスチック製スプーンやフォークなどの使用量を減らすための仕組みで、対象のプラスチック製品(12種類)と対象となる店舗は次の通りです。

対象製品:スプーン、フォーク、テーブルナイフ、マドラー及び飲料用ストロー
     (5種類)
対象店舗:スーパーやコンビニ等の小売業、飲食店、デリバリー飲食サービス業
     など
対象製品:ヘアブラシ、くし、かみそり、シャワーキャップ及び歯ブラシ
     (5種類)
対象店舗:ホテル等の宿泊業
対象製品:衣類用ハンガー及び衣類用カバー(2種類)
対象店舗:小売業、洗濯業


 これらの製品を提供する際には、①有料化やポイント還元、繰り返し使用を促す等の提供方法を工夫するほか、②製品の軽量化や再生プラスチック等の使用、さらには、③消費者に使用の意思を確認するなどの手段を組み合わせて使用量の削減を図ることとされています。
 これらのプラスチック製品を提供する事業者による取り組みに期待する以上に、これにより消費者のライフスタイルの変革を促していると言えるのではないでしょうか。

産業廃棄物の排出量

 わが国では、どのくらいの産業廃棄物が排出されているのでしょうか?
 先日、国が公表したデータ(令和元年度)によれば、3億8,596万トンと年間4億トン近い産業廃棄物が排出されています。
 これは、私たちの日常生活などから排出される一般廃棄物4,274万トンの約9倍の量となります。
 それでは、どのような種類の産業廃棄物が多く排出されているのでしょうか。
 排出量が最も多いのは「汚泥」で1億7,084万トン、産業廃棄物全体の約44%、次いで「動物のふん尿」が8,079万トン、約21%、「がれき類」が5,893万トン、約15%となっています。
 汚泥は主に上下水道の処理場などから、動物のふん尿は農林畜産業から、がれき類は建設業から排出されています。
 また、オフィスや商店、製造工場、建設工事などから「廃プラスチック類」が754万トン排出されています。
 産業廃棄物全体に占める割合は2%程度ですが、プラスチックに関しては、製品の製造や使用のあり方から排出抑制やリサイクルの促進まで、ライフサイクル全般を対象とする「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が本年4月から施行されます。
 今後の、廃プラスチック類の排出量やリサイクルの動向が注目されるところです。

生分解性プラスチック

 ポリエチレンやペット樹脂など現在普及している多くのプラスチックは、丈夫で腐らないという特徴を活かして幅広い分野で利用されてきました。
 一方で、これらのプラスチックは、土壌や海洋などの自然環境の中では、ほとんど分解されることなく長期間残存するため、様々な環境問題を引き起こしています。
 生分解性プラスチックとは、自然界に存在する微生物などの働きによって、最終的には二酸化炭素と水に分解されるプラスチックをいいます。
 生分解性プラスチックには、様々な種類がありますが、現在実用化されている生分解性プラスチックは土壌環境で分解されることを想定したものが多く、ごみ埋立地での分解性や農業用ビニルの散乱対策などをセールスポイントにしているものがあります。
 わが国のプラスチック資源循環の指針として2018年に策定された「プラスチック資源循環戦略」では、「生分解性プラスチック」について、再生可能資源を原料とする「バイオマスプラスチック」とともに、循環型社会に適した素材として一層の導入が提起されています。
 しかし、環境に優しいとされる生分解性プラスチックですが、普及にあたっては様々な課題もあります。
 現在大きな社会問題となっているプラスチックによる海洋汚染に関しては、海洋環境中で分解性のある生分解性プラスチックはごく限られており、今後の技術進展が待たれます。
 また、自然界で分解されることから、安易に不法投棄を誘発するのではないかとの危惧も指摘されています。
 さらに、今後、プラスチックのリサイクル、特にマテリアルリサイクルが進む中では、生分解性プラスチックのリサイクルの方法についても議論になるものと思われます。

都市鉱山

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で選手に贈られたメダルの材料が、使用済みの携帯電話、パソコン、デジカメなどから回収されたことはご存じだと思います。
 およそ金32kg、銀3,500kg、銅2,200kgが回収され、5,000個以上のメダルの材料となりました。
 このように、使用済みの製品中の有用な金属を回収して、新たな製品の原料として再利用することを、回収される金属資源を鉱山に見立てて「都市鉱山」と呼んでいます。 
 日常で広く使われている携帯電話やパソコンなどの小型家電には、金、銀、銅のほか、コバルト、パラジウム、タンタルなどのレアメタルと呼ばれる様々な金属が使われています。
 わが国では、これまでに生産した製品中に多くの有用な金属が含まれており、金では6,800t(世界の埋蔵量の約16%に相当)、銀では60,000t(同約22%)が、また液晶画面の材料として不可欠なインジウムは、世界の年間消費量(450t)の約4倍、1,700tが眠っているといわれています。
 これらは、世界有数の資源国に匹敵する規模といわれており、天然資源の乏しい日本にとって、都市鉱山の有効活用は必須の課題といえます。
 しかし、過去に使用された有用な金属がすべて回収できるわけではなく、たとえば、埋め立て処分された物の回収は極めてむつかしく、経済的ではありません。
 使用済みの製品を散逸させることなく、資源として的確に管理し、リサイクルの輪の中で効率的に再生活用する仕組みが重要となります。
 「小型家電リサイクル法」は平成24年に、まさにこの趣旨で制定されました。

ごみに関する記念日


 ごみやリサイクルに関して様々な記念日が設けられています。
 一番身近なのは5月30日の「ごみゼロの日」でしょう。
 この日に合わせた「530(ごみゼロ)運動」は1970年代に愛知県から始まったとされていますが、国や地方自治体が音頭を取って全国に広がり、今ではごみ減量やリサイクル推進のための啓発活動や清掃活動が各地で行われています。
 また、1972年6月5日にストックホルムで開催された「国連人間環境会議」にちなみ、わが国では環境基本法(第10条)により6月5日が「事業者及び国民の間に広く環境の保全についての関心と理解を深める・・・」との趣旨で「環境の日」に制定され、毎年6月を「環境月間」として全国各地でさまざまな環境関連行事が行われています。
  さらに、「ひとまわり(10)、ふたまわり(20)」のごろ合せで、10月20日が「リサイクルの日」とされ、これが発展して、現在、環境省や経産省をはじめとするリサイクル関連の8省庁が、毎年10月を「リデュース・リユース・リサイクル(3R)推進月間」として、さまざまな取り組みやイベントが行われています。
 持続可能な社会の形成に向けて、3Rやエコライフがますます注目を集めるなか、これからも新たな記念日が設けられることでしょう。

産業廃棄物管理責任者について

 産業廃棄物の処理責任は、廃棄物を排出する事業者にあるとされ、これを「排出事業者責任」といい、産業廃棄物の適正処理を進めるための重要な原則となっています。
 この原則に沿って、マニフェストの交付や委託契約書の締結、処理状況の確認義務などが、排出事業者の責務として、法律(廃棄物処理法)で規定されています。
 さらに、東京都では、排出事業者責任のもとに適正処理を徹底させるため、都内で産業廃棄物を排出する事業場は、事業規模にかかわらず「産業廃棄物管理責任者」を選任しなければならないと条例(東京都廃棄物条例)で定めています。
 産業廃棄物管理責任者は、特に資格要件は必要ありませんが、事業場の中で産業廃棄物の処理に関する権限を有し、また、産業廃棄物の処理について十分な知識を有する者でなければならないとされています。
 産業廃棄物管理責任者には、事業場の中で産業廃棄物の処理を中核になって担う重要な役割が課せられています。
 このため、東京都では、排出事業者責任に関する知識や理解を深め、その責務が十分に果たせるような人材を育成する目的で「産業廃棄物管理責任者講習会」も開催しています。
 詳しくは、 (公財)東京都環境公社(https://www.tokyokankyo.jp/)のホームページでご確認ください。

「温室効果ガス」と「地球温暖化」


 地球は太陽からの熱により温められています。
 一方で、地球からも赤外線などの形態で熱が宇宙に放出されていますが、その際に放出される熱の一部を再度吸収し、地表から熱が逃げ過ぎないようにしているのが、大気中に含まれる「温室効果ガス」です。
 温室効果ガスには、大気中の水蒸気のほか二酸化炭素,メタンなどがあり、もし大気中の温室効果ガスがなければ、地球は約-19度に冷え切ってしまうといわれています。
 しかし、近年、社会経済活動の活発化に伴い、二酸化炭素などの温室効果ガスが人為的に大量に排出されて大気中の濃度が高まり、熱の吸収が増えた結果、地球の気温が上昇し始めています。
 これが「地球温暖化」であり、地球規模の気候変動を引き起こすとされています。
 二酸化炭素は人為的な温室効果ガスの代表ですが、産業革命前の大気中の二酸化炭素濃度は約280ppmであったのに対し、石油や石炭など化石燃料の大量消費等にともなって、現在では約410ppmと200年余りで約1.5倍に増加しています。
 このままだと「地球温暖化」の進行により今世紀末には地球の平均気温が約4度上昇すると試算されており、異常気象や海水面の上昇、生態系の変化など、我々の生活環境のみならず地球環境全体への深刻な影響が懸念されています。
 地球が長い時間をかけて育んできたこの環境を、人類がわずかな期間で壊してしまうということであり、これを食い止め後世に良好な環境を引き継ぐことは、現在の我々に課せられた最大の宿題といえるでしょう。

オリンピック・パラリンピック競技会場

 一年延期になった東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、多くののアスリート達により熱戦が繰り広げられました。
 都内では東京湾沿いの湾岸エリアに多くの競技会場が設けられましたが、これら湾岸エリアの会場の中には、かつて東京都のごみを埋め立てた処分場(埋立地)の跡地に建設されたものもあります。
 アーチェリーが行われた夢の島公園アーチェリー場、競泳、飛び込み、アーティスティックスイミングが行われた東京アクアティクスセンター、そして水球が行われた東京辰巳国際水泳場は昭和32年から昭和41年度まで多くのごみを受け入れてきた14号埋立地(通称夢の島)の跡地を整備した「夢の島公園」に建設されています。
 かつて、近接の15号埋立地と共に「ごみ戦争」の舞台となった場所ですが、大規模に整備され、もはや当時の面影はありません。
 また、馬術が行われた海の森クロスカントリーコースとカヌー、ボートが行われた海の森水上競技場は昭和48年から昭和61年度まで埋め立てが行われた中央防波堤内側埋立地の跡地となる「海の森公園」に立地しています。
 ここは、主に不燃ごみや焼却灰によって埋め立てられましたが、緑豊かな公園を目指して植栽も進み、都民の憩いの場所として生まれ変わろうとしています。
 近代的に整備されアスリートの競いの場となったこれらの会場ですが、かつて、ごみ処理の最前線として、ごみ搬入車両やダンプカーが行き交い、連日埋め立て作業が行われていたことを思うと隔世の感があります。

グリーン購入法

 グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)は、循環型社会の形成のためには、需要面からの取り組みも重要であるとして、国やその関係機関が、環境に配慮した製品やサービスを優先的に購入(グリーン購入)することを義務づけた法律で、2001年に制定されました。
 対象となるのは文具やオフィス機器、家電等の用品から自動車、工事資材など広範囲にわたり、国は、特に重点的に対応すべき物品を「特定調達品目」として細かく仕様を定め、これを毎年見直しています。
 さらに、この法律では、国等の機関にグリーン購入を義務づけるとともに、地方公共団体や事業者、国民にもグリーン購入に努めることを求めており、幅広い主体が、それぞれの立場から、グリーン購入を進め、循環型社会形成に寄与していくことが期待されています。
 また、第三者機関による環境ラベルである「エコマーク」も、グリーン購入法に基づく購入の際の判断目安として広く活用されています。
 東京都では、「東京都グリーン購入ガイド」を毎年作成して環境に配慮した製品を購入するとともに、公共工事等においては「東京都環境物品等調達方針」を定め、使用資材、建設機械、工法などに適用し、工事から発生する環境負荷の低減に努めるとしています。

石綿(アスベト)廃棄物

 国の責任を認めた最高裁判所の判決を機に、石綿(アスベスト)の健康被害が改めて大きな社会問題となっています。
 石綿は非常に細い天然繊維で、大気中に飛散すると呼吸を通して体内に取り込まれ、肺がんや中皮腫等の原因となるとして、今では製造や使用は禁止されています。
 しかし、熱や摩擦に強く安価な素材のため、建材や保温材等としてすでに大量に使用されており、その量はわが国全体では1,000万㌧に達すると推計されています。
 このため、現在、建物の解体などに伴って、石綿を含む廃棄物(石綿廃棄物)が多く排出されており、その適正処理が大きな課題となっています。
 石綿廃棄物は、その飛散性により二種類に大別され、取り扱い方法も異なります。
 保温材や防音材として建物内壁や空調パイプ等に吹き付けられた石綿は、飛散性が非常に高いため、その撤去工事は大気汚染防止法の規制を受けています。
 さらに、工事から発生する石綿廃棄物は特別管理産業廃棄物である「廃石綿等」と分類され、高温で熱処理して無害化するほか、厳重な飛散防止措置を取った上で埋め立て処分するなど、処理方法は厳しく規制されています。
 一方、材料の一部に石綿が使われているスレート材やPタイルなどは、飛散性は比較的小さいことから、「石綿含有廃棄物」として普通の産業廃棄物として処理できます。
 ただし、処理の過程で破砕することは禁止されており、さらに、契約書やマニフェストには、「石綿含有廃棄物」を含むことの記載が求められるなど、取り扱いには特段の注意が必要です。

誰が排出事業者か

 産業廃棄物の処理責任は、排出事業者にあるとされています。
 排出事業者は、たとえ処理を委託したとしてもその処理責任を逃れられるものではなく、「排出事業者責任」として産業廃棄物の適正処理のための重要な基本原則となっています。
 それでは、どのような立場の者が「排出事業者」にあたるのでしょうか。
 産業廃棄物ですので、当然、廃棄物を発生させる事業活動に関わった者が排出事業者になりますが、社会経済活動が複雑化した今日、複数の事業者が関係して発生する廃棄物も少なくありません。
 例えば、流通業者が倉庫業者に保管を委託した商品が消費期限切れになり廃棄する場合や、親会社から材料の供給を受け、子会社の管理のもとで成型加工した際に発生したプラスチックくずを廃棄する場合など、判断に迷う事例も散見されます。
 廃棄物処理法では、建設工事の場合を除いて、排出事業者の定義は明確には示されていませんが、過去には、「その産業廃棄物を排出する仕事を主体的に支配、管理している者が排出事業者にあたる」との主旨の判例が裁判所から示されたこともあります。
 ちなみに、上記の事例では、「商品の所有権を有する流通業者」及び「実際に成型加工した子会社」が排出事業者と一般的には解釈されています。
 誰が排出事業者か、産業廃棄物の適正処理のための重要な要件ですので、疑義があれば、都道府県の産業廃棄物所管部署にお問い合わせされることをお勧めします。

廃棄物の発生量

 わが国の廃棄物の発生量はどのくらいでしょうか。
 日常生活などから発生する一般廃棄物の量は、環境省がまとめたデータによると、平成30年度1年間で約4,3000万トン、東京ドーム115杯分になります。
 国民一人が一日に出すごみの量として計算すると、約920グラムとなり、ここ10年は3R意識の浸透などもあり、発生量は漸減してきました。
 ただし、直近では、新型コロナウィルスまん延にともなう在宅勤務、巣ごもりなどの影響か、家庭から排出されるごみの量が大幅に増加しており、東京都ではHP上で「一度に大量のごみを出さないで」との異例のお願いをしています。
 つぎに産業廃棄物の発生量は、同じく環境省がまとめた平成30年度のデータでは、年間約3億7,600万トンと一般廃棄物の10倍近くの量となっています。
 こちらは、新型コロナウィルスの影響で事業活動が停滞し、ごみ量の減少が予想される反面、宅配便の増加や医療活動の拡大に伴い廃プラスチック類などが増加することも考えられ、発生量の動向が注目されるところです。
 廃棄物の発生状況は、社会を映す鏡といわれます。
 新型コロナウィルス感染症がごみの発生量にまで影響する事態といえるでしょう。
 大谷清運は、コロナ禍の真っただ中にあっても、「エッセンシャルワーカー(essential worker)」として皆様の生活を支えるため、感染のリスクと闘いながらごみ処理の仕事に励んでいます。

「アップサイクル 」について

 「リサイクル(Recycle)」と似ていますが「アップサイクル(Upcycle)」という言葉をご存知ですか。
 アップサイクルとは、不要となった物から元の素材やデザインを活かして新たな製品を生み出す、いわば「ゴミ」を「宝物」に変える手法のことです。   
 アップサイクルは、リサイクルと比べると元の製品より価値の高い新たな製品を生み出すことが特徴であり、サスティナブル(持続可能)なモノづくりの一つの方法といえるでしょう。
 また、元の製品の形状や色彩、模様等を活かしたハンドメイドの一品物が多いのもアップサイクルの特徴といえます。
 よく紹介されるアップサイクルの事例として、使用済みのトラックの幌(ほろ)やシートベルト等を利用してバッグやリュックサックを製作しているスイスの「FREITAG(フライターグ)」社があり、デザインや機能も工夫され、使い終わった不要物を材料としているとは思えないような高級感、ブランド感のある製品が全世界で販売されています。
 わが国でも、昔から着物地の再活用など、日常の中でアップサイクルが行われてきましたが、最近では、環境にやさしい製品として、アップサイクルを取り入れたビジネス事例も散見されるようになり、今後もこれに取り組む企業が増えていくものと思われます。
 大谷清運としても、廃棄物のリサイクルを進めるとともに、アップサイクルの動向にも注目していきたいと考えています。

「専ら物」について

 廃棄物処理法(法)では、廃棄物の処理を業として行う場合には、原則として「廃棄物処理業」の許可が必要となります。ただし、例外として、ⅰ)新聞などの古紙、 ⅱ)古着などの古繊維、ⅲ)アルミ缶な鉄くず、および ⅳ)空き瓶類の4品目については、廃棄物であっても、リサイクルを前提とした処理である限りは処理業の許可は不要とされています。(法第7条1項、第14条1項他)
 法では「専(もっぱら)ら再生利用の目的となる一般(産業)廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者」については処理業の許可が不要と規定されていることから、これらの4品目は「専ら物」と呼ばれています。
 この背景には、法の制定時(1975年)に、すでに「専ら物」の資源回収や再生利用を生業とする回収業者やリサイクル業者によるリサイクルルートがあり、こうした既存のルートに対して、廃棄物処理業の対象とするのは得策ではないとの判断があったものと考えられます。
 ただし、「専ら物」といえども、有償売却されない限り、廃棄物であることには変わりはなく、たとえば、産業廃棄物にあたる「専ら物」のリサイクルを他人に委ねる場合には、委託契約書が必要となり、排出事業者責任も免れるものではないことに注意が必要です。

平安時代の「清掃」と「掃除」

 「清掃」と「掃除」、どちらも「ごみやよごれを取り除き、きれいにする」の意味で、大掃除や道路清掃など日常生活で使われている言葉です。また、現在の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」や明治時代の「汚物掃除法」など法律の用語としても使われています。このように、広く使われているこれらの言葉ですが、実は、千年以上昔の平安時代においても、今と同じような意味で使われていたようです。
 平安時代の様々な決まりを定めた、いわば現代の法律書にあたる「延喜式(えんぎしき)」には、京の生活環境を保つための「清掃」や「掃除」の言葉がたびたび出てきます。延喜式には、「煤払い(すすはらい)」の手順なども記述され、宮中にたまった煤や塵などをきれいに掃除することが決まり事として定められていますが、現在、私たちが年末に行う大掃除の習慣はここから来ていると言われています。
 また、平安京には「掃部寮(かもんのりょう)」という宮中の掃除を担当する官職も配置されていましたが、当時は、身の回りをキレイに掃除するのは、生活環境を清潔に保つだけではなく、厄(やく)を払い穢(けがれ)を遠ざける神事の意味合いを併せ持っていたようで、たとえば掃除道具である箒(ほうき)が神器のように扱われていました。

バーゼル条約と廃プラスチック

 有害廃棄物の国際的な移動を規制する「バーゼル条約」をご存じですか。
 1980年代に先進国から途上国に有害廃棄物が輸出され、環境汚染につながる事例が多発したことから、1989年にスイスのバーゼルにて採択された国際条約です。
 この条約の規制対象は有害廃棄物ですが、最近のプラスチックによる海洋汚染問題などを受けて条約が改正され、来年(2021年)1月からは、「汚れたプラスチックごみ」が新たに対象に加わることとなりました。
 今後は、たとえリサイクル資材として売却できるような廃プラスチックであっても、汚れや異物の混入がないこと、単一の素材でかつペレット化など加工・調整されて高品質であることが輸出の条件となります。
 わが国の廃プラスチックの輸出量は約90万トン(2019年)で、ドイツに次ぐ世界第2位の量となっていますが、来年以降は、この多くが輸出できなくなることも考えられます。
 このため、廃プラスチックの国内処理・リサイクル体制を整備し拡充することが喫緊の課題となっていますが、同時に住民や事業者による排出の抑制、分別の徹底などの努力が一層求められていると言えるでしょう。

ペットボトルのリサイクル

 ペットボトルは透明で軽量かつ割れにくい性状のため、清涼飲料などの容器としてガラスびんに代わって1980年台から広く普及してきました。
 2017年度のペットボトルの出荷本数は227億本にのぼり、国民1人あたりが年間180本も消費していることになります。
 一方、わが国では、使用済みのペットボトルは約85%という高い割合でリサイクルされており、繊維製品や食品用トレイなど様々な製品に再生されるほか、最近ではペットボトルからペットボトル(ボトルtoボトル)への水平リサイクルも進んでいます。
 プラスチックリサイクルの中でもペットボトルは優等生といえるのではないでしょうか。
 わが国でペットボトルのリサイクルがこのように進んでいる背景には、1995年に制定された「容器包装リサイクル法」の存在が大きく、この法律に基づき消費者、自治体、飲料等製造業者、リサイクル事業者などがそれぞれの立場で努力している結果といえるでしょう。
 大谷清運でも、容器包装リサイクル法の仕組みに沿って、区が回収したペットボトルを選別・圧縮することにより、リサイクルの入口の役割を果たしています。

マイクロプラスチック

 プラスチックによる海洋汚染が世界的に大きな環境問題となり、プラスチック製品の使用見直しの機運が高まっています。
 わが国では、その一環で、7月からスーパーマーケット等でレジ袋が有料化されました。
 プラスチックによる海洋汚染は、海への流出量だけでなく、5mm以下のサイズの「マイクロプラスチック」による影響が特に問題とされています。
 マイクロプラスチックは、プラスチックが紫外線により劣化したり、物理的な摩擦で砕けて小さくなったものに加えて、洗顔料・歯磨き粉などに使われるスクラブ剤などとして製品に最初から含まれていることもあり、これらが海洋に流出して汚染の原因になるとされています。
 マイクロプラスチックは、サイズが微小であるため、プランクトン、魚介類や小動物など海洋生物が摂食(誤飲)し、体内に蓄積するといわれています。
 さらにマイクロプラスチックは、海水中の有害物質を吸着しやすく、マイクロプラスチックを通して取り込まれた有害物質が海洋生物の生態に悪影響を与えたり、「生物濃縮」により私たち人間の健康にも影響することが懸念されます。

3Rについて

 大量生産、大量消費に伴う資源の枯渇や環境汚染への反省から、限りある資源を循環使用し環境に与える負荷を小さくする「循環型社会」の形成が急務とされています。
 循環型社会を目指すためのキーワードが皆さんご存知の3Rです。
 Reduce(リデュース:発生抑制⇒発生を減らす)、Reuse(リユース:再使用⇒繰り返し使う)、Recycle(リサイクル:再資源化⇒再び資源に戻す)の3つの「R」から始まる英単語の頭文字からなり、循環型社会形成のためには、普段から、日常生活や経済活動の各所でこの3Rを意識していくことが重要とされています。
 不要物や廃棄物に関する基本法である「循環型社会形成推進基本法」では、対応の優先順位を(1)Reduce、(2)Reuse、(3)Recycle、に続いて(4)熱回収、(5)適正処分と定めており、廃棄物の焼却・熱回収や適正処理に先立って、3Rを優先することと規定しています。
 また、最近では、3Rに加えてRefuse(リフューズ:断る⇒ごみになるものを断る)やRepair(リペア:修理⇒ものを修理して大事に使う)を加えた「5R」も提案されており、このほか、Reform(リフォーム:改良して再び使う)、Rental(レンタル:所有せずに借りる)Return (リターン:使った後は購入先に戻す)などが提唱されています。
 私たちは、様々な「Re-」に従って行動することが求められていると思います。

レジ袋の有料化

 2019年7月1日からプラスチック製買物袋、いわゆる「レジ袋」の有料化がスタートしました。
 それ以前に、多くのスーパーマーケットなどでは、レジ袋の有料化が先行して進められていますが、7月以降は、法律ですべての店舗で義務化され、対応が不十分な店舗は店名の公表や罰則を受けることもあります。
 対象となるレジ袋は「消費者が購入した商品を持ち運ぶために用いる、持ち手の付いたプラスチック製の買物袋」と定義されており、厚さが0.05mm以上の繰り返し使用が可能な袋や生分解性プラスチック製の袋などは除外されています。
 世界では、すでに80か国以上でレジ袋の使用が禁止もしくは有料化が義務付けられ、レジ袋だけでなく、プラスチック製のストロー、使い捨て食品容器、ペットボトルなどのプラスチック製品を広く規制する国が増えています。
 わが国のレジ袋の使用量は年間約20万トンと推定され、1年間に排出されるプラスチックごみ(約900万トン)の2%程度にすぎません。
 レジ袋の有料化でプラスチックごみによる環境負荷を大きく軽減できるわけではありませんが、わが国の一人当たりの使い捨てプラスチックの量は米国に次いで世界第二位とされており、これを契機にプラスチックごみ問題への意識が変わることが期待されます。

ユーズド・イン・ジャパン

 “made in Japan”ならぬ”used in Japan”という言葉をご存知ですか。
 ユーズド・イン・ジャパン、文字どおり「日本で使用された」という意味です。
 今、海外では、日本で使用されていた中古品の人気が大変高いそうです。
 日本製の自動車は品質が高く、中古車となっても海外で人気があるのは聞いていましたが、車に限らずユーズド・イン・ジャパンとして多くの日本の中古品が注目されています。
 例えば、東南アジアでは、JIS規格の日本の高級オフィス家具などは、中古品であっても中国や韓国製の 新品よりも人気があり、高価格で取引されているということです。
 ユーズド・イン・ジャパンが人気なのは、もちろん日本製品の高品質によるところが大ですが、加えて 日本人が大事に使い、整備が行き届いているためとも言われています。
 たとえば、中東では日本の中古自転車が大人気ですが、日本の自転車の多くは中国製です。
 それでも、中東でユーズド・イン・ジャパンの自転車の人気が高いのは、日本で大事に使われていたためとされています。
 日本で不要になったものが、必要とされる国で「ユーズド・イン・ジャパン」のブランドで”Reuse”されている、うれしい話しではないでしょうか。

感染性廃棄物について

 医療機関等から排出され、「感染性病原体が付着しているおそれのある廃棄物」は「感染性廃棄物」として、一般の廃棄物とは別の厳しい基準で処理することとされています。
 現在、流行している「新型コロナウィルス」は感染症法に基づく「指定感染症」に指定されており、治療や検査から排出された廃棄物はすべて「感染性廃棄物」となります。
 外部に流出しないようメディカルボックスなどの密閉容器に入れ、他の廃棄物と混載することなく処理施設に運び、高温焼却など病原菌を滅却させる方法で処理されます。
 感染症をまん延させないためには、医療行為とともに適切な廃棄物処理も重要です。
 感染性廃棄物の処理については、廃棄物処理法の基準に加えて、国(環境省)から、「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル(平成30年3月)」が出されており、より詳細な処理方法が示されています。
 また、東京都(環境局)からも、リーフレット「感染性廃棄物を適正に処理するために(平成30年11月)」が出されており、いずれもホームページで閲覧できます。

容器包装リサイクル法

 食品等の商品を入れたり、包んだりしている容器や包装材がごみとなった「容器包装廃棄物」は、家庭ごみの重量で2~3割、容積では実に6割を占めるといわれています。
 「容器包装リサイクル法」は、これら容器包装廃棄物を資源としてリサイクルし、ごみの減量化を図るため1995年に制定されました。
 この法律では、消費者(一般家庭)、自治体(区市町村)、事業者(容器包装の製造者、使用者)の三者がそれぞれの立場で役割を分担し、リサイクルを進めることとなっています。
 消費者には分別排出が求められ、自治体には回収と選別の義務が、事業者には費用を負担して実際にリサイクルを行う義務が課せられています。
 大谷清運では、家庭から回収された容器包装プラスチックやペットボトルについて、区から委託を受けて、異物を除去し選別したり輸送効率を高めるため圧縮することにより、同法の効果的な運用に寄与しています。

プラスチックのリサイクル

 プラスチックごみによる海洋汚染が問題となり、外食産業でプラ製のカップやストローの使用を控えるなど、プラスチック製品の使用見直しの機運が広がっています。
 また、昨年7月からは、スーパーマーケット等においてレジ袋の有料化が義務付けられることとなりました。
 2019年5月に策定された国の「プラスチック資源循環戦略」では、リデュース(排出抑制)を進めるとともに、2035年までにすべての廃プラスチックをリユース(再利用)、リサイクル(有効利用)することとされました。
 このため、わが国におけるリサイクルルートの一層の整備が求められるといえます。
 大谷清運(株)では、プラスチックのリサイクルを事業の重要な核と位置付けており、今後、この欄でも、 プラスチックリサイクルについてご紹介していきたいと思います。

家電リサイクル法

 家電リサイクル法は1998年に制定、2001年から本格施行され、正式名称を「特定家庭用機器再商品化法」といいます。
 一般家庭や事業所から排出された家電製品4品目(①エアコン、②テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、③冷蔵庫・冷凍庫、④洗濯機・衣類乾燥機から、有用な金属や素材をリサイクルし、廃棄物量の削減及び資源の有効利用を推進するための法律です。
 この法律では、製造業者である家電メーカー等は、廃家電を再商品化(リサイクル)する義務を負っており、排出者(家電を使用していた消費者や事業者)は家電リサイクル券によりリサイクル料金を支払う仕組みになっています。
 また、この法律では、家電製品を販売する小売業者は、は「排出者からの引取りと製造業者等への引渡し」という重要な役割りを担っており、廃家電の運搬にあたっては廃棄物処理業の許可も免除されています。

リチウムイオンバッテリー

 2019年のノーベル化学賞は、リチウムイオン電池の開発に貢献した吉野彰さんが受賞しました。
 リチウムイオン電池はプラスの電極に「リチウム」金属の化合物を使う電池で、軽量にもかかわらず出力が大きく、また何回も繰り返し充電できるのが特徴です。
 このような優れた性能から、小型電池としてスマホやパソコンなどIT機器に多用されており、ニッケル水素電池やニカド電池とともに、小型充電式電池と呼ばれています。
 しかし、これらの電池を廃棄する場合には注意が必要で、他の廃棄物と一緒に処理すると、衝撃や 通電により発火し、ごみ収集車や破砕施設ではたびたび火災が起きています。
 また、小型充電式電池にはリチウム、ニッケル、カドミウムの貴重な金属が含まれており、資源循環の視点から、これらの金属をリサイクルすることが求められています。
 このため、電池メーカーや使用機器メーカー等は「一般社団法人JBRC」を設立し、小型充電式電池の分別回収、リサイクルを業界の責任で進めています。

産業廃棄物運搬車両の表示について

 産業廃棄物の運搬車両には、廃棄物を運搬していることを示す「車両表示」が必要です。
 大谷清運をはじめ処理業者の車両表示には、必ず「産業廃棄物運搬車」の表示とともに、会社名、許可番号が記載されています。
 表示は車両の両側の見やすい場所に掲示することとされており、文字の大きさも、「産業廃棄物運搬車」の文字は120p(4cm)以上、会社名や許可番号は90p(3cm)以上とするなど、走行中でも産業廃棄物の運搬車両であることが分かりやすいことが求められています。
 街で産業廃棄物を運搬している車両を見かけたら、ご確認ください。
 さらに、排出事業者が自ら産業廃棄物を運搬する、いわゆる自己運搬の場合にも「車両表示」は必要であり、「産業廃棄物運搬車」の表示とともに会社名を記載することとされています。

あわせ産廃と公共関与

 産業廃棄物は排出事業者が自らの責任において処理することが原則です。
 ただし、廃棄物処理法では、例外的に、区市町村や都道府県が産業廃棄物の処理を行うことも想定しており、これらは「あわせ産廃」及び「公共関与」とよばれています。
 「あわせ産廃」とは、区市町村が一般廃棄物の処理とあわせて産業廃棄物の処理を行うことができるとの規定で、「公共関与」とは都道府県が廃棄物処理センターの設置などを通して広域的に産業廃棄物の処理を行うことができるという規定です。
 いずれも、「…処理を行うことができる」との規定であり、区市町村や都道府県の判断のもとに処理されるもので、これら自治体にかならず処理義務があるものではありません。

おから裁判について

 廃棄物に関する有名な裁判でいわゆる「おから裁判」(1993年 最高裁)があります。
 豆腐製造業者から排出された「おから」を、費用を受け取って運搬し、飼料化していた業者が、産業廃棄物の無許可営業とみなされ起訴された事件です。
 業者は、おからは、食品として利用されており、「不要物」ではなく廃棄物として法の規制は受けないと 主張しました。 
 これに対し、最高裁は、「不要物」に該当するか否かは、発生時点で客観的に決められるものではなく、①その物の性状、②排出の状况、③通常の取扱い形態、④取引価値の有無及び⑤事業者の意思等を総合的に 勘案して判断すべきとしました。
 その上で、おからは非常に腐敗しやすく、食用などとして有償で取り引きされているものはごく一部で、大部分は無償で牧畜業者等に引き渡され、あるいは有料で産廃業者に処理委託されている実情から、処理費用を受け取る「おから」は「不要物」に当たり、廃棄物に該当するとしました。
 裁判所のこの判断は「総合判断説」として、現在まで廃棄物への該当性を判断する基準となっています。

産業廃棄物の保管基準について

 産業廃棄物を保管する場合には、廃棄物処理法により保管基準がかかります。
 排出事業者が廃棄物を処理業者に引き渡すまでの保管についても、この基準がかかります。
 保管基準では、廃棄物が飛散流出しないことや悪臭を発生させないなどの措置をとることが求められます。
 また、保管場所は「周囲に囲いが設けられていること」と規定されており、室内で保管する場合でも、保管場所として区分する必要があります。
 さらに、保管場所には「掲示板」(60cm×60cm)を見やすいところに掲示することとされており、①産業廃棄物の保管の場所である旨の表示 ②保管する産業廃棄物の種類 ③保管場所の管理者や連絡先などを記載する必要があります。
 処理業者の積替保管施設や中間処理施設にも当然保管基準がかかりますが、これらの施設では、運搬能力や処理能力に応じて保管量上限も定められ、施設に長期間にわたり廃棄物が保管されないような規定となっています。

アルミ缶のリサイクルについて

 アルミ缶はリサイクルの優等生と言われています。
 アルミ缶リサイクル協会の統計(2017年度)によれば、わが国におけるアルミ缶消費量は年間219億本にのぼりますが、そのうち約93%がリサイクルに回っており、国内リサイクル量のうち約67%が再び飲料缶の材料として 使われています。
 アルミ缶では、素材⇒製品(アルミ缶)⇒廃棄⇒リサイクル⇒素材 の循環の輪が出来上がっていると言えるでしょう。
 さらに、アルミ缶のリサイクルで特筆すべきはその省エネ効果です。
 天然原料であるボーキサイトからアルミニウムを作るには大量の電気が必要ですが、使用済みのアルミ缶など を溶融してリサイクルする場合には、電力が実に97%も節約できます。アルミニウムが「電気の缶詰」といわれる所以です。
 大谷清運では、自販機等から排出される飲料缶について、アルミ缶を選別し、異物を取り除き、圧縮して輸送 効率を高めるなどリサイクルを進めています。

PCB廃棄物の処理

 最近、PCB廃棄物の処理を促すCMがテレビで盛んに流れているのをご存知ですか。
 PCBは、かつては優れた電気絶縁性や化学安定性から、電気器具などに多く使用されていましたが、1968年(昭和43年)に西日本を中心に重篤な健康被害が発生した、いわゆる「カネミ油症事件」を契機として、その有害性が大きな社会問題となりました。
 1972年(昭和47年)には、PCBの製造は禁止されましたが、それまでに使われていたトランスやコンデンサーなどのPCB使用製品は、処理が進まず保管されたままでした。
 保管の長期化により、PCB使用製品の紛失や漏洩による環境汚染が懸念されるなか、PCB廃棄物の確実な処理のため、2001年(平成13年)「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(PCB 特措法)が制定されました。
 この法律により、国の主導で中間貯蔵・環境安全事業㈱(JESCO)が設立され、全国5施設において、法律で定める期限(2027年3月31日まで)までのPCB廃棄物の処理が進められているところです。 
 詳しくは環境省の「ポリ塩化ビフェニル(PCB)早期処理サイト」をご覧ください。

「SDGs」をご存知ですか。

 SDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」は、貧困、差別、暴力、環境汚染など世界中の様々な問題を解決するため、2015年の国連サミットで採択された目標で、2030年までに実現することを目指しています。
 SDGsは、17の目標、169のターゲットから構成されており、国際社会全体の目標として、全ての関係者(先進国、途上国、民間企業、NGO等)の役割が重視されています。
 わが国では、2016年5月内閣にSDGs推進本部が設置され、同年12月にはSDGs実施指針が策定され、取り組みが進められています。
 SDGsへの対応は企業の義務ではありませんが、企業への期待・要請は大きく、SDGsへの取組みが企業の発展に不可欠になるものと考えられています。
 大谷清運は、廃棄物処理業者として、いち早くSDGsへの取組みを業務の柱ととらえ、SDGsの実践企業として国連グローバル・コンパクトに署名いたしました。

個別リサイクル法について

 廃棄物処理法の目的は1970年の制定時から、「公衆衛生の向上」及び「生活環境の保全」にあり、このため廃棄物の適正処理を図ることに主眼が置かれています。
 しかし、その後エネルギー危機や廃棄物を取り巻く環境が厳しさを増していく中で、廃棄物を適正処理するだけではなく、いわゆる3Rを推進し、物質の循環を促進させ、資源の消費抑制や環境負荷の低減を促すことが重視されるようになりました。
 このため、廃棄物処理法の枠を超え、個別の廃棄物の性状、発生状況などを考慮し、リサイクルを促進するため、いわゆる「個別リサイクル法」が制定されました。
 名称と制定年次は次の通りです。
 ①容器包装リサイクル法(1995年)、②家電リサイクル法(1998年)、③建設リサイクル法(2000年)、④食品リサイクル法(2000年)、⑤自動車リサイクル法(2002年)、⑥小型家電リサイクル法(2012年)
 それぞれのリサイクル法では、排出者の責務、集荷の方法、費用負担などに様々な工夫が盛り込まれています。

「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」について

 産業廃棄物の種類に「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」があります。どのような廃棄物をいうのでしょうか。
 文字通り、不要となったガラス製品、陶磁器、コンクリートの破片など幅広い性状の廃棄物が含まれます。ガラス繊維、ロックウール、ガラス研磨紛、石膏ボードなども「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」に含まれるとされています。ただし、建築物の解体等の工事現場から排出されるコンクリートがらは、「がれき類」に分類されます。
 東京都がまとめた都内の産業廃棄物の実態調査(H27)によれば、「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」は、建設工事から大量に出る「汚泥」や「がれき類」に次いで排出量が多く(全体の約5% 60万トン)なっています。
 また、不燃性の様々な製品くずが含まれるため、減容化、リサイクルが進まず、最終処分(埋め立て)される割合が約20%と他の廃棄物(がれき類(2%)、汚泥(3%)、産業廃棄物全体(5%))に比べて高くなっています。

産業廃棄物の埋め立て処分について

 産業廃棄物の処理では、多くが破砕や焼却など中間処理されますが、処理後の焼却灰や残さ物は、再生利用されるものを除いて、ほとんどが埋め立て処分されています。
 中間処理されないで直接埋め立てられるものを含めると、発生した産業廃棄物のうち、約3%、全国で約 1,000万トンが埋め立て処分されています。(平成27年度実績)
 これは、20年前(18%、 6,900万トン)と比較すると、割合、量ともに約6分の1に、減少していますが、埋め立て処分場の残余能力がひっ迫している中、一層の減量化が求められています。
 特に、都内には、受け入れ可能な民間の埋め立て処分場は既にありません。
 このため、都内で発生した産業廃棄物の埋め立て処分は、東京都が運営する埋め立て処分場で少量受け入れられているほかは、ほとんどが他県の埋め立て処分場に依存しているのが現状です。
 大谷清運では、受け入れた廃棄物について、再生利用(リサイクル)、減量化を進めることにより、極力、埋め立て量を減らしていきます。

RPFをご存知ですか?

「Refuse Paper & Plastic Fuel」の略称であり、廃棄物である廃プラスチック類を主とし、その他紙くずや木くずを原料とする高品位の固形燃料です。
 RPFは、廃プラスチック類のリサイクル方法として、経済性やCO2削減効果の面でもメリットがあり、石炭並みの発熱量を有することから、化石燃料の代替として使用されています。
 また、原料の割合等を調整することにより、使用用途に応じた品質のRPFを安定的に製造することができ、JIS規格も設定されています。
 大谷清運(株)では、様々な方法で産業廃棄物のリサイクルを進めていますが、廃プラスチック類リサイクルの最終工程としてRPFを製造し、製紙工場のボイラ燃料として提供しています。

優良産廃処理業者認定制度(優良認定制度)について

 優良産廃処理業者認定制度(優良認定制度)をご存知でしょうか?
 平成23年から廃棄物処理法で規定され、産業廃棄物処理業者のうち、通常の許可基準よりも厳しい基準に適合した業者を認定する制度です。
 処理業許可の基準に加えて、①順法性、②事業の透明性、③環境配慮の取組、④電子マニフェスト 及び ⑤財務体質の健全性の視点から、処理業者を評価し、これらの項目をすべて満たしている処理業者を「優良認定業者」と認定します。
 大谷清運(株)は、収集運搬業、処分業いずれでも優良認定を受けており、許可証には優良マークが印字され、許可期限も通常の5年間から7年間に延長されています。
 また、近年、排出事業者責任が強化され、事業者は、委託した廃棄物の処理状況を確認することが努力義務とされていますが、国では、優良認定業者に委託することにより、的確に処理情報を得ることが可能になるとして、制度の拡充を図っています。

食品ロスについて

 本来食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう「食品ロス」が問題となっています。
 我が国の食品ロスの量は、国の推計では、平成27年度には約646万トンにのぼるとされています。
 この食品ロスの量は、1300万人の東京都民が1年間に食べる食品の量に匹敵すると言われています。
 日本の食料自給率は約39%(平成27年度)で、先進国中で最低水準です。
 食料の大半を輸入に頼っていますが、その一方で、食べられる食料を大量に捨てているという現実があるのです。
 国や東京都も、この「食品ロス」は大きな社会問題ととらえ、削減に向けた普及啓発活動や仕組みづくりに力を入れています。
 われわれ消費者や企業にとっても、食べ物をもっと無駄なく、大切に消費していくよう、さらに意識を変えていくことが必要ではないでしょうか。

資源有効利用促進法

 資源有効利用促進法(通称 リサイクル法)をご存知ですか?
 「廃棄物処理法」が主として廃棄物の適正処理を目指した法律(1971年施行)であるのに対し、「リサイクル法」は資源の有効利用を促進し、廃棄物の発生抑制を図るために制定(2001年施行)された法律です。
 廃棄物処理法が環境省所管の法律であるのに対して、リサイクル法は経済産業省が所管となっています。
 この法律では、一定の業種や製品を指定し、3R(*)の概念のもと、長寿命化や再利用を考慮した設計・製造や、製品の省資源化や再利用の仕組みづくりを進めることを求めています。 
 パソコンや小型二次電池のリサイクルルートは、この法律に基づき関係業界が構築したものです。
 また、スチール缶、アルミ缶、ペットボトルなどの「リサイクルマーク」も、分別回収促進のため表示が義務づけられています。
( * 3R:Reduce「発生抑制」、Reuse「再使用」、Recycle「再利用」)

特別管理産業廃棄物

 産業廃棄物のうち、「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」については、特別管理産業廃棄物として、処理基準や処理業の許可も別に設定されるなど、通常の産業廃棄物よりも厳しい規制がかけられています。
 特別管理産業廃棄物には、様々な種類が定められていますが、身近なところでは、建物の吹付材等として使用されていたアスベストを撤去して発生する「廃石綿」や、医療機関などから発生する、「感染性廃棄物」などがあります。
 さらに、工場等から発生し、鉛やカドミウムなどの有害物質を一定以上含んだ汚泥や廃酸、廃アルカリなどの廃棄物も特別管理産業廃棄物に該当します。
 今回の法改正(平成29年公布)では、特別管理産業廃棄物を年間50トン以上排出する事業所については、(紙)マニフェストに代えて、必ず電子マニフェストを使用することが義務付けられました。(2020年4月1日施行)
 大谷清運(株)では、幅広い範囲の特別管理産業廃棄物に対応する許可を有していますので、処理が必要な場合には是非ご相談ください。

電子マニフェスト制度

 伝票形式の(紙)マニフェストに代わって、国の外郭機関である(公財)産業廃棄物処理振興センター(JWNET)のホストコンピューターを介して、処理情報を管理する方法を電子マニフェスト制度と言います。
 電子マニフェストを利用することにより、入力状況や処理情報が随時センターから報告されるため、紙マニフェストに比べて記録漏れを防止でき、また排出事業者による処理終了の確認が確実にできるなどメリットが大きいとされています。
 また、排出事業者の義務とされているマニフェストの5年間保存や行政に対する報告(産業廃棄物管理票交付等状況報告)も不要となります。
 国も電子マニフェストの普及には力を入れており、今回の法改正(平成29年改正)では、特別管理産業廃棄物を年間50t以上委託する事業所には電子マニフェストの使用を義務付けています。(施行平成32年4月)

産業廃棄物処理業の許可

 産業廃棄物処理業の許可には、処理施設へ運搬するまでの「収集運搬業」のほか、処理施設で廃棄物の処分を行う「処分業」の許可があります。
 さらに、感染性の廃棄物や廃石綿など、取扱いに特別の注意が必要とされる産業廃棄物は、「特別管理産業廃棄物」として区別され、処理業の許可も「特別管理産業廃棄物〇〇業許可」が必要となります。  
 また、処理業の許可証には取り扱うことができる廃棄物の種類や行うことのできる処理の内容が「事業の範囲」として記載されており、排出事業者が処理業者の「事業の範囲」を超えて廃棄物の処理を委託することは法違反(委託基準違反)を問われる恐れがあります。
 大谷清運(株)では、お客様の産業廃棄物を、常に処理業の許可の範囲内で適切かつ安全に処理ことを心がけています。

排出事業者責任

 産業廃棄物の処理では、廃棄物を出す方(排出事業者)の責任が重く位置づけられています。
 これを「排出事業者責任」といい、環境基本法で示す「原因者負担の原則」に基づく考え方とされています。
 廃棄物処理法では、この考え方のもとに、排出事業者は最終処分が終了するまで、産業廃棄物の適正  処理のため必要な措置を講ずるべきとされています。
 マニフェストの交付や委託契約書の締結が排出事業者に義務付けられているのもその一環です。
 また、廃棄物処理業者に処理を委託した場合であっても、排出事業者に処理責任があることに変わりはありません。
 大谷清運(株)ではこれまで培った知識、経験のもと、適正処理に努めるほか、皆様の排出事業者責任を全うするためのお手伝いをさせていただきます。

委託契約書 

 産業廃棄物の処理を処理業者に委託する際には、排出事業者は、マニフェストの交付とともに、委託契約書により契約を結ぶことが法律(廃棄物処理法)で定められています。
 この契約書には、運搬先や処分方法、廃棄物の性状、処理料金など法律で定める項目を必ず記載する必要があり、これらの必須項目が不備である場合には、適正な契約書ではないとして排出事業者の法違反(委託基準違反)を問われる場合もあります。
 また、排出事業者は、契約終了後5年間、契約書を保存する必要があります。
 必須項目が記載されていれば、委託契約書の様式は特に定められていませんが、東京都や全国産業廃棄物連合会などのHPでは、上記の必須項目を含めた、モデル契約書(ひな形)が公開されています。

マニフェスト伝票

 産業廃棄物を委託する場合には排出事業者はマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付することが     義務付けられています。 マニフェストは一般には7枚綴り(A、B1、B2、C1、C2、D、E票)で構成されており、排出事業者は控えのA票のほか、収集運搬業者から返送されるB2票、処 分(中間処理)業者から返送されるD票に  より委託した処理が終了したことを、さらにE票により最終処分まで完了したことが確認できる仕組みとなっています。
 また、排出事業者は、これら(A、B2、D、E票)を5年間保存する必要があります。
 ちなみに、廃棄物の処理で使われるマニフェストは「manifest」(積荷目録)の意味ですが、
選挙で公約の意味で使われるマニフェストは「manifesto」(政策宣言)が語源であり異なる言葉です。