バイオマス発電とは、廃木材や食品残さ、家畜の糞尿など動植物由来の(バイオマス)資源を燃料とする発電をいいます。

廃木材など植物由来の資源は、光合成による成長の過程で大気中のCO2(二酸化炭素)を吸収しており、また、動物由来の資源についても食物連鎖により間接的には植物由来の資源であるといえます。

このため、バイオマス発電は、石油や石炭等の化石燃料による発電と異なり、燃やしても大気中のCO2の増加につながらず、カーボンニュートラルな再生可能エネルギーとされています。

近年、地球温暖化対策の視点から、再生可能エネルギーの導入が推進されていますが、バイオマス発電は、太陽光発電や風力発電に比べて天候や季節の影響を受けにくく安定して発電できるというメリットがあります。

一方で、バイオマス燃料は発生場所が各地に分散されており、これらを安定的かつ効率的に調達する必要があり、さらに、発電コストも化石燃料に比べて高くなる傾向と言われています。

バイオマス発電には、資源を直接燃料として使用する方法のほか、資源を発酵等でガス化させて燃料として使用する方法などもあります。

現在、わが国の総発電量に占めるバイオマス発電の割合は4%程度(2022年実績)ですが、持続可能な社会の実現に向けた重要なエネルギー源として、今後ますます注目されていくものと思われます。