廃棄物(ごみ)は、有価物である商品とは違い不要物であることから、自由な処理に任せるとぞんざいに扱われ、生活環境等に支障を生ずるおそれがあります。
このため、処理にあたっての責任(処理責任)が法律(廃棄物処理法)で厳しく規定されています。
特に産業廃棄物の処理については、廃棄物を排出する事業者の責任(排出事業者責任)が強く求められていますが、これは、環境基本法第37条に規定する「原因者負担の原則」に沿うものであり、排出事業者は産業廃棄物が最終処分(埋立処分や再生)されるまで適正処理に関する責任を負うとされています。
現在、産業廃棄物の多くは処理業者に委託処理されていますが、法律(第12条7項)では、「事業者は処理を委託する場合であっても、処理状況に関する確認を行うとともに、最終処分が終了するまでの処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるように努めなければならない」と排出事業者責任が明記されています。
国の通知では、さらに具体的に「排出事業者は、その廃棄物を適正に処理しなければならないという重要な責任を有しており、その責任は、廃棄物の処理を他人に委託すれば終了するものではない」としています。
処理業者に処理を委託する場合、一般には、収集運搬から中間処理(処分)までが委託の範囲となりますが、排出事業者の処理責任は、さらに中間処理の残渣物等が最終処分されすべての処理が終了するまでとされています。
委託契約書やマニフェストに、委託の範囲を超えて最終処分情報の記載が義務付けられているのも、排出事業者責任の一環といえます。