環境に関する法体系は、環境基本法を頂点として整備、構築されています。

その範囲は、公害、廃棄物・資源循環、自然環境、地球環境など広範にわたります。

環境基本法は平成5年に、それまでの公害対策基本法を発展的に改正して制定されましたが、現状の日本のみならず、ⅰ)将来にわたって持続的な発展が可能な社会の構築(第4条)(時間的な広がり)及び、ⅱ) 国際的な協調による地球環境保全の積極的推進(第5条)(空間的な広がり)の新たな理念を取り入れたことが大きな特徴といえます。 

 また、環境基本法では、日常生活や事業活動から排出される廃棄物についても、「環境への負荷」として、適正に処理するとともに負荷を低減すべきとされています。

さらに、環境基本法の理念を具体化し循環型社会を実現させるため、平成12年には循環型社会形成推進基本法が制定され、その下に、廃棄物の適正処理確保のための廃棄物処理法と再生利用促進のための資源循環利用促進法が配置される法体系が出来上がりました。

容器包装リサイクル法(平成7年制定)や家電リサイクル法(平成10年制定)等の「個別リサイクル法」も環境基本法の理念を反映した法律といえます。

また、環境基本法では、環境対策に要する費用については、原因者が負担することを基本とする「原因者負担の原則」(第37条)が掲げられていますが、廃棄物処理法における産業廃棄物の排出事業者責任の考え方は、この原則に基づくものとされています。