先日、「北極や南極上空のオゾンホールが回復しつつある」との新聞報道を目にしました。

オゾンは3つの酸素原子からなる酸素の同素体ですが、大気中の微量成分として地球全体を覆っており、太陽からの有害な紫外線を遮る効果があるとされています。

地球上空のオゾン層が薄くなると大量の紫外線が直接地表に届き、皮膚がんや白内障などの増加が危惧されますが、その原因として、冷蔵庫の冷媒やスプレー缶の噴射剤などに使われるフロンガス等が大気中に拡散しオゾン層を破壊することが明らかになっています。

特に、オゾン層は低温の極地で損なわれやすく、1984年には南極上空でオゾン層が極端に薄くなるいわゆる「オゾンホール」が確認されました。

このような状況の中、オゾン層の回復を目指して、1989年にはフロンガスをはじめとするオゾン層破壊物質の生産や消費を禁じる国際条約「モントリオール議定書」が発効しました。

わが国でも、発効に合わせて「フロン排出抑制法」が整備され、フロン使用製品の廃棄に際しては、フロンガス等を確実に回収し大気中に放出させない仕組みが設けられました。

大谷清運でも、業務用冷蔵庫などの廃棄にあたっては、「フロン類充填回収業者」の資格のもとに、あらかじめフロンガスを抜き取った上で処理を行っています。

二酸化炭素等の温室効果ガスとともに地球規模の環境影響要因と位置付けられてきたフロンガス等ですが、国連の報告では、これまでの国際的な取り組みが功を奏し、オゾン層の破壊が食い止められ、回復に転じているとされています。