廃棄物処理法(法)では、廃棄物の焼却は、基準に適合した焼却炉で焼却する以外には、他の法律の規定により認められている場合や、どんど焼き、お焚き上げなど社会慣習上やむを得ないと判断される場合などを除き、原則として禁止されています。
基準に合わない方法で廃棄物を焼却することは「焼却禁止違反」(法第16条の2違反)として、「不法投棄」(法第16条違反)と並んで、廃棄物処理法で最も重い罰則の対象となります。
警察庁が公表した令和4年の「廃棄物処理法違反の態様別検挙状況」によれば、焼却禁止違反による検挙数(2,453件、全体の46.5%)は不法投棄(2,784件、52.8%)に次ぐ件数となっています。 
都市部では、あまり話題にはなりませんが、全国的にみれば、焼却禁止違反の多発は大きな社会問題となっています。
焼却炉によらず野外で廃棄物を焼却する行為は、一般に「野焼き」と呼ばれ、廃棄物処理法違反として摘発される事例が後を絶ちませんが、焼却炉で焼却する場合であっても、法律の基準に適合しない焼却炉では、同様に焼却禁止違反とされます。
焼却炉の基準としては、炉の規模等によっても異なりますが、廃棄物の投入口や煙突以外は外気と遮断されていること、助燃空気の供給装置や燃焼温度の計測装置など高温で完全燃焼させる機能を有すること等が求められています。
また、廃棄物の焼却施設には、同時にダイオキシン類に関する基準がかかっており、このための対策も必要となります。