産業廃棄物の種類に「廃酸」及び「廃アルカリ」があります。

廃酸は、pH(水素イオン濃度)が7よりも小さい酸性の廃液を、廃アルカリはpHが7よりも大きいアルカリ性の廃液を言います。

廃酸、廃アルカリの排出量は合わせても、全産業廃棄物の2%にも満たない量ですが、液状でそのまま埋立処分はできないため、必ず何らかの中間処理が必要となります。

廃酸や廃アルカリの主な処理方法は、中和処理と焼却処理です。

中和処理では、廃酸や廃アルカリに中和薬剤を加えて中性(pH7)に近づけます。

このとき、重金属などの有害物質が含まれている場合には、併せて薬剤で重金属を不溶化して除去し無害化する必要があります。

中和処理の過程では、発熱や有毒ガスが発生する場合もあり、安全な施設で処理する必要があります。

中和処理後は、排水基準(又は下水道基準)に合わせて河川や下水道に放流します。

また、焼却処理では、含まれる有機物を熱で分解し、無機物や金属類は水分を蒸発させ固化することにより、燃え殻として埋立処分します。

廃酸や廃アルカリに有用物が含まれている場合には、写真廃液から銀を回収するように、積極的に有用成分を回収し、リサイクルすることもあります。

さらに、廃酸のうちpH2.0以下の強酸、廃アルカリのうちpH12.5以上の強アルカリについては、特に注意して取り扱う必要があるとして、特別管理産業廃棄物に指定されており、処理基準や処理業許可も通常の廃酸、廃アルカリとは区別されています。