大谷清運は経済産業省補助事業「資源自律に向けた資源循環システム強靭化実証事業費補助金」に申請し、2023年5月30日(火)採択されました。
事業名『プラごみ袋に混入しているLi電池やレアアースをAI搭載のX線異物検査装置により検知 ・排除・回収する実証実験

公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会によると、近年、リチウムイオン電池内蔵電子機器の増加に伴い、プラスチック再生処理事業における処理工程の第一段階である「ベール解砕機」や「破袋機」の刃によって、リチウムイオン電池が押し潰されて、ショート・発火し、周囲にあるプラスチックに着火する発煙・発火トラブルが急増しており、令和4年度では285件発生しています。
出展:リチウムイオン電池等の発火物が原因になる発煙・発火トラブル|公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会 (jcpra.or.jp)

環境省_チラシデータさらに、東京消防庁の広報によると、モバイルバッテリーなどに使用されているリチウムイオン電池関連から出火した火災は平成29年:56件、平成30年:82件、令和元年:102件、令和2年105件、令和3年:141件と増加する傾向にあります。
出展:東京消防庁2022年7月広報

また、環境省では2年前より市民の方、事業差の方に向けてリチウムイオン電池の適正な分別・排出に関する動画やポスターを制作され、啓蒙活動をされています。
セーフリサイクル!リチウムイオン電池!(正しい捨て方の動画)

大谷清運は以前より、リチウムイオンバッテリーの発火が原因となる火災に関して、行政やお客様に対して注意喚起を行ってきました。

リチウムイオン電池は加熱式タバコやモバイル扇風機など小型化され、一見で内蔵されていることが分かりづらいものが多く、排出時にその他のプラスチック製品とともに搬入されることが多くなっています。

そこで、大谷清運は収集したプラごみ袋を「破砕機」や「破袋機」投入前に、Li電池(=危険な異物)やプリント基板(=有用な異物)を内蔵する電気電子製品を検知する、AIとX線を組み合わせた異物検査装置『OSLiBソーター』をオクト産業様と共同開発しました。

そして、今回の補助金を活用し、弊社第4工場に設置、Li電池の排除およびプリント基板を回収するためのラインを構築し、実証実験を行うことで、さらなる社会へ貢献していきたいと思います。

この助成金は、
民間企業等(以下「間接補助事業者」という。)が電気電子製品やバッテリー等を構成する金属類(レアメタル・レアアース等)、自動車、包装、プラスチック、繊維について、自律型資源循環システムを構築するために必要な機器及び設備の導入を行う事業(以下「間接補助事業」という。)により、我が国が保有する先進的な資源循環技術の早急な社会実装を通じて、循環経済モデルのトップランナーとなる自律型資源循環システムを構築することで、我が国の戦略的自律性・不可欠性を確保し、国際競争力を獲得することを目的としています。
本間接補助事業を通じて、2030年度までに、レアメタル等の金属鉱物資源の更なる安定的な確保、プラスチック資源循環に係る施策のマイルストーン及び温室効果ガス削減目標の達成に貢献するとともに、世界の循環経済モデルのトップランナーとなる自律型資源循環システムの構築を実現するための助成金です。

今回の申請内容は、
・電気電子製品に含まれるリチウムイオン電池について、安全処理を確保するための選別・解体・リサイクル技術に係る設備費等への補助
(補助対象設備の例としては、小型家電等に含まれるリチウムイオン電池の光学選別・除去装置 等が挙げられます。)
・リサイクルが困難な設備に含まれる希少金属について、レアアースの安価回収技術やリチウム等の金属資源高効率回収技術に係る設備費等への補助
(補助対象設備の例としては、ⅰ)大型蓄電池や大型磁石を含有する設備等の解体装置 ⅱ)低環境負荷なブラックマス製造装置 等が挙げられます。)
を対象事業としたものです。