産業廃棄物処理業者は、排出事業者から委託された産業廃棄物の処理を、他の処理業者等に再委託することは、原則として禁じられています。
しかし、同時に、処理業者は一定の条件(再委託基準)を満たせば、受託した処理を、一回に限り他の処理業者に再委託することができると規定されています。
再委託の基準としては、ⅰ)再委託の内容をあらかじめ排出事業者に説明し書面で承諾を得ること、ⅱ)処理業者から再委託先業者に対し、最初の委託契約書の内容を記載した文書を交付すること、ⅲ)処理業者と再委託先業者の間で改めて新たな委託契約書を締結すること、が必要とされています。
さらに、排出事業者は承諾書の写しを5年間保存する義務も生じます。
国は通知(平成24年3月30日)において、再委託は施設の故障等のやむを得ない場合に限定されず、再委託基準を満たせば広く認められた制度であるとの見解も示しています。
このように、法の仕組みでは、一定の手続きを踏めば、産業廃棄物の再委託は可能とされていますが、一方で、多くの自治体では再委託については、やむを得ない場合を除いては限定的に行うべきと指導してるのが現状です。
再委託は廃棄物処理業者、排出事業者の双方にとって手続きが煩雑となり、また、廃棄物の責任、流れが曖昧になりがちなのも事実です。
やはり、排出事業者と直接に委託契約を結んだ処理業者が、実際に処理を行うことが好ましい姿と言えるでしょう。
産業廃棄物の再委託
2025年05月31日
コラム