WDS(Waste Data Sheet)は、産業廃棄物の処理を委託する排出事業者が、廃棄物の性状等の情報を処理業者に提供する手段として国(環境省)が作成した情報シート(廃棄物データシート)です。

産業廃棄物の処理を委託する場合には、排出事業者は、その廃棄物の性状や取り扱う際の注意事項等の適正処理に必要な情報を、必ず委託契約書に盛り込んで処理業者へ提供しなければならないとされており、WDSはこの情報提供が的確に行われるように国が用意したツールといえます。

これらの情報が十分に提供されないと、処理業者による適切な処理が困難となることも想定され、生活環境保全上の支障を招く恐れがあります。

平成24年に発生した利根川水系における水道水汚染事故では、産業廃棄物処理業者が、規制物質ではないものの塩素と反応してホルムアルデヒドを発生する物質を、十分に処理せずに放流してしまい、下流の浄水場の塩素滅菌処理で有害物質が発生し大きな社会問題となりました。

その一因として、排出事業者と処理業者の間で必要な情報の伝達及び共有化が不足していたことが指摘されています。

WDSの使用は、必ずしも義務化されているものではありませんが、特性や含有物質が判りにくい汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリ、あるいは有害物質等を含む廃棄物など、処理方法を誤ると生活環境保全上の支障が生ずる可能性がある廃棄物については、国はWDSの使用を推奨しています。