一年延期になった東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、多くののアスリート達により熱戦が繰り広げられました。
都内では東京湾沿いの湾岸エリアに多くの競技会場が設けられましたが、これら湾岸エリアの会場の中には、かつて東京都のごみを埋め立てた処分場(埋立地)の跡地に建設されたものもあります。

アーチェリーが行われた夢の島公園アーチェリー場、競泳、飛び込み、アーティスティックスイミングが行われた東京アクアティクスセンター、そして水球が行われた東京辰巳国際水泳場は昭和32年から昭41度まで多くのごみを受け入れてきた14号埋立地(通称夢の島)の跡地を整備した「夢の島公園」に建設されています。

かつて、近接の15号埋立地と共に「ごみ戦争」の舞台となった場所ですが、大規模に整備され、もはや当時の面影はありません。
また、馬術が行われた海の森クロスカントリーコースとカヌー、ボートが行われた海の森水上競技場は昭和48年から昭和61年度まで埋め立てが行われた中央防波堤内側埋立地の跡地となる「海の森公園」に立地しています。

ここは、主に不燃ごみや焼却灰によって埋め立てられましたが、緑豊かな公園を目指して植栽も進み、都民の憩いの場所として生まれ変わろうとしています。

近代的に整備されアスリートの競いの場となったこれらの会場ですが、かつて、ごみ処理の最前線として、ごみ搬入車両やダンプカーが行き交い、連日埋め立て作業が行われていたことを思うと隔世の感があります。