廃棄物処理法で規定される廃棄物処理業には、大きく分けて「産業廃棄物処理業」と「一般廃棄物処理業」があり、それぞれ処理業の許可を取得する必要があります。

 いずれの許可についても、申請者に ⅰ)必要な施設があるか、ⅱ)人的な知識、技能を有しているか、ⅲ)財務的に問題ないか、 ⅳ)欠格要件に該当していないか、などの許可要件に照らして許可の適否が判断されます。

 このうち、産業廃棄物処理業の許可については、都道府県(知事)等が許可権者で、上記の許可要件に合致していれば(必ず)許可することとなっています。

 一方、一般廃棄物処理業の許可は、市区町村(長)が許可権者ですが、上記の許可要件に加えて、市区町村内の一般廃棄物の処理状況が許可に影響を与えます。

 すなわち、廃棄物処理法では、一般廃棄物処理業者は、一般廃棄物の統括的な処理責任がある市区町村を補完する立場と位置付けられており、このため、市区町村内の処理能力が十分確保され、これ以上処理業者は必要ないと判断すれば、市区町村は許可しないことができるとされています。

 このことは、同じ市区町村内の業者の間でも、申請時期等の違いにより、一方の業者に許可が下りないという一見不公平な状態を生ずることにもなりますが、市区町村の裁量権に基づく結果で法が想定する範囲であるとして、過去の裁判事例でも容認されています。

 産業廃棄物と違って、主に住民の日常生活から排出される一般廃棄物については、基礎的自治体である市区町村の責任及び権限が大きい結果と言えるでしょう。